【京言葉】

2006年01月12日

【京言葉】『ほっこり』

ほっこり

この寒〜い冬の時期、京都の暖かい場所でよく漏れる言葉が、
この『ほっこり』という言葉です。

意味としては「暖かそうな様子・ふくよかな様子」をいいます。
よく使われる言い方としては「ほっこりするなぁ」とか使われる。

京言葉の特徴を非常に表した言葉といえるでしょう。

私も自宅に出先に喫茶店でほっこりしたいです…

2005年12月18日

【京言葉】『ぐつ』

ぐつ

京都でもあんまり聴き慣れない言葉が、数多くありますが、
本日取り上げます言葉もあまり今日では聞かれなくなりました。

それが、『ぐつ』という言葉。
あまり今日の京都でも耳に入る言葉ではありません。

『今日はちょっとぐつが悪いさかいに、
また今度にしてもうてよろしいやろか?』

といった様な感じで使われるのが、一般的です。
用例の通りに『都合・具合・体裁』といった意味を持っています。

しかし、これだけの意味で終わらないが京言葉です。

まず、この言葉の性格上、基本的にはあまり会話の肯定的返答では
使われる事は少ないように感じます。
どちらかといえば、否定的な部分で使われる事が多いです。

でも、何故わざわざ御誘い等をお断りする時に、
このような理由をつけるのでしょうか。

まず第一は、以前にも記しております通りに、
会話のやりとりでは、なるべく角を立てないようにする、
というのが『京言葉の基本』です。

これは、争い事や揉め事や誤解を生じさせない為に、
そして、相手に不快な気持ちをさせない工夫も入っています。
もう一つが、用事が何もなくてもキチンとした理由づけをする事で、
体裁を保つという側面があります。

もちろん、誘う方も相手にこのような断り方をされても、
何か用事があるわけではない場合があるのをよく知っておられます。
でも、そこは深く聴かずに『そうですか、そしたらまた次の折にでも。』
と角を立てることなくさらりと会話を流していきます。
これが、京都らしい会話の知恵と言うところでしょうか。

という訳で、ここ数日ぐつが悪かったので、
私もちゃんと更新します。

(*参考図書:『京の口うら』京都新聞社編)

2005年11月09日

【京言葉】『しんどい』

<しんどい>

『しんどい』とは、『苦しい・疲れている・くたびれた』という意味です。
基本的には「あぁ、しんど」というように普通に使います。

『しんどい』は、心労に『い』を付けて、『しんろい』から転じて、
この言葉になったようです。(京都新聞社編『京の口うら』より)

それにしても、秋の京都の渋滞と人の多さに、外出するとなると動き辛くて、
『しんどいなぁ』という言葉がついつい出てしまいます…
バスで移動をする日には特にしんどい…

もうちょっとしんどくならへん交通網を作って欲しいです…

2005年11月04日

【京言葉】『おやかまっさんどした』

<おやかまっさんどした>

京都は結構、文化的には静々とおっとりとした雅やかなイメージが強いのですが、
実際、表向きはそうであっても、親友とか友達などの親しい人が集まると、
謙(へりくだ)りが交じった悪口のようなものが始まります。

とは言いましても、他府県の方からみると京都に対しての悪口にしか
聞こえないのですが、当の京都人は、そんな悪口のつもりは全く無く、
自分達の住む地域を謙って、悪口のような会話表現になってしまいます。

そういう話題の場合は大抵、『やかましく』なってしまいます。


さぁ、ここからが本日の京言葉の本題です。

京言葉には『おやかまっさんどした』という言葉があります。
こちらの言葉は『お喧(やかま)し様』という言葉が訛ったものに、
京言葉独特の文末語『〜どした』という言葉が一緒になったものです。

この表現が基本的にはよく使われます。(実際に会話で使われる事は少ないです。)

この言葉は『やかましく騒いで申し訳ありませんでした』という意味があります。
訪れたお宅やお店などを帰る際に言う事が多いようです。
私もこちゃこちゃ書いて、おやかまっさんどした。

2005年08月30日

【京言葉】『「ややこしい」という言葉はややこしい』

<「ややこしい」という言葉はややこしい>

京都人の会話の中には度々登場する独特の表現が数多く存在します。
その中には、使われる意味合いは違うけど、表現としては同じという言葉が、
いくつかあります。

そんな中で、一番難儀(なんぎ)をするのが、『ややこしい』という言葉です。
通常は、『難しいこと・厄介なこと』という意味で使われています。
しかし、会話の背景によって使われる意味が変わってきます。

例えば、近所でこそこそしている人に対して『ややこしい人やなぁ』と
使う場合は、『疑わしい』という意味合いが強くなります。
男女のコソコソしている様をみて、『ややこしい仲やなぁ』という風にも使います。

他には、判断しにくいという意味でも『ややこしいなぁ』といいますし、
あぶない雰囲気のものや人、会社に対しても『ややこしい』は使います。

更には、回りくどい言い方に対しても『ややこしい言い方せんと、
はっきりいって。』という会話の使い方がなされます。


まぁ、普通に会話をしていたら、たいていはどういう意味合いで使っているのか
というのは、すぐに分かるのですけどね。

ちょっと話を聴いてみるとちょこちょこ出てくるので、
こういうのを意識して会話を聞いていると面白いかもしれません。

<参考文献:京都新聞社編『京の口うら』>


2005年04月29日

【京言葉】おまわり

さてさて、今夜も少し【京言葉】について、触れてみたいと思います。

とはいっても、私自身も京都の人間なれど、昔の京言葉と言うものは、
なかなか使う機会はございません。というのは、意外と思うかもしれませんが、
このごろは、本当に昔からある京言葉を使われる方が少なくなったからです。

でも、知り合いのおばあちゃんとかおばちゃんとかと
会話をする時とかは、よく京都弁ではなすことが多くなります。
なかでも、お商売をされている方なんかは、京都弁がよく出てきます。
でも、嫁いで来られたりとかされている方は少しイントネーションが
違ったりして、少し「ん?」とか思ったりするんですけどね。

とは言え私も現代人。やはり昔の人のイントネーションと違うところは多いです。

おっと、前振りが長くなってしまいました。
それでは、今夜の京言葉を見てみましょう。


今夜は『おまわり』です。
『おまわり』ってあのおまわりさんの事かなと思ってしまう方も
数多くいらっしゃるでしょう。
しかし、意味は違います。

『おまわり』とは「毎日のおかずの事」をいいます。
早い話が、『おばんざい』のことを『おまわり』というのです。
この言葉は、おばんざいよりも前に定着していた言葉です。

では、何故、おかずの事を『おまわり』と呼んでいたのでしょうか。

それは、宮中の生活に関係があります。
宮中では、うつわのまん中にごはんをおいて、
そのまわりにおかずが置かれていたそうです。
つまりは、そのごはんの周りをおかずが囲んでいる事から、
おかずの事を『おまわり』と呼ばれるようになったそうです。

これは、昔からの食べ方だそうで、
非常に古い時代から行われているそうです。

京都の言葉は、こういう今でこそ聞きなれない言葉も
歴史・文化を静かに受け継いでいるのです。

もう一度見直してみませんか、京言葉を。


2005年04月25日

【京言葉】冥加ない

こんばんわ。

今夜は、ひさびさに【京言葉】をご紹介します。

今回の言葉は『冥加ない』です。

少し聴きなれない言葉だと思います。
実際、京都の人間でもほとんど使われることはないでしょう。

『恐れおおく、もったいない』という意味だそうです。

ちなみに「冥加(みょーが)」とは、《気付かないうちに、
受けている神仏の加護や恵みのこと》だそうです。

こういう言葉の中に京都らしい部分が見え隠れしている部分
に京言葉の奥深く感じます。

参考文献
『上方雑俳 京ことば辞典』 木村恭造 編


2005年02月08日

【京言葉】上ル・下ル

おはようございます。
久々に、【京言葉】をご紹介したいと思います。

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本日の言葉は、京都の地理的表現で常に出てくる『上ル・下ル』をお話しましょう。

京都は、基本的に北の行くことを『上ル』、南へ行くことを『下ル』と言います。
もちろん、これは平安京のお国柄といえるでしょう。

昔から京都は、御所が中心であるという考えがあります。
そのため、京都の中心地から見て、御所へ出向くことを上ると言いますから、このような使い方が、残っていると言えるでしょう。

実際には、よそから来た方々が、京都の中心地『田の字』の辺りを歩かれると、どっち北で、どっちが南かというのは、分からなくなるかもしれませんが…

ちなみに…
『西や東は、どういうの?』という事になってきますよね。
西や東の場合は、『○○通り西入ル・東入ル』という表現をします。
この『通り』の表現に、決まりはありません。
例えば、そこの家の人が、自分の家から近くて分かりやすい『通り』を目印として、はがきや手紙の宛名の住所に表記します。

ちゃんとした『町名』は、あるんですよ。
でも、昔から使っている『通り』を目印に表記した方が分かりやすいのです。
郵便の場合は、たいていの場合がこの表記方法を用いますし、お店の場所もこの表記をします。

昔から『通り』が歌にもなっていますから、目印としてはうってつけです。

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2005年02月01日

【京言葉】おとうふやさん

久々に、京言葉のコーナーです。
今回の言葉は、『おとうふやさん』…?

えっ、『おとうふやさん』って普通の言葉でしょ?って思われますよね。
そうなんです。別に、これ自体が【京言葉】ではありません。

では何が【京言葉】かというと、それは、『"お"とうふや"さん"』の"お"と"さん"のことなのです。

というのは、京都は、お店であれ、食べ物であれ、神社であれ、必ず擬人化した呼称を使います。

特に、食べ物に擬人化した呼び方をするのは、一般的には変に思われるかもしれません。
しかし、これは、京都人の大きな性格を表しています。
食べ物に代表されるのは『おまめさん』。
でも、常に"お"を付けるわけではありませんのであしからず。

では、何故そのような呼び方をするのかと言うと、京都の人々は昔からモノを大切にする習慣があったからです。
というのも、魚や野菜、米、木などなど、全てのものに対して神様が宿るという考え方が非常に根強く、一般生活のなかでも、モノを無駄なく大切に使うという習慣があります。
そして、普段使うものについては、常に敬う気持ちを大切にしている気持ちの表れが擬人化した呼び方であると昔、私の中学校の国語の先生から教わりました。
その気持ちから誰に対しても、物に対しても、敬意を払うという事で、擬人化した呼び方をしているといわれています。

何事にも敬意を払う気持ちを持つこと。それが、京都人の大きな特徴といえます。

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2005年01月20日

【京言葉】いちげん

本日は、京都以外の人であれば、たいていの人が一度はきにかかる言葉を取り上げてみたいと思います。

それが、「いちげん」です。

よく京都で聞かれる「いちげんさんは、お断りさせて頂いてます。」というアノ『いちげん』です。
「いちげん」とは、『一見』と書き、意味は[なじみではなく、はじめてのお客さん]のことを言います。
では、何故京都の有名なお店(老舗)では、「一見さん、お断り」というような制度を敷いているのでしょうか?

まぁ、このような店の中には、自分の店をいかにも格式高そうに見栄を張り、店の中身とは釣合わないような料金を設定して、儲けようと企んでいるところもありますが、本来は、お客さんとして正しい資格を有しているかどうかというのを確かめるために行っています。

老舗などは、その値段にあった建物の保存、最高の料理、人脈を保ち続けてきた部分が大きいのです。
そのため、お酒を飲んで、暴れたり、セクハラをしたり、無銭飲食などをするような人に通ってもらっては困るわけです。
ですから、『一見さん』ならば、なおさら、そのようなことをしないという保証はどこにもありません。
そのために、このような制度を敷く事により、保証を確保するのです。


では、誰が保証するのでしょうか?
それが、通いなれているっしゃる常連の方々なのです。
常連の方々が、保証人としての役割をするからこそ、保証は確保されるのです。

かといって、一度行ったからといって、『一見』でなくなるわけではありません。
定期的に、何度か来店することで、初めて常連として認めてもらえるのです。
もちろん、この制度は、店側からすれば、継続的に利用してくださる良いお客さんを確保するという機能も持っています。

これらは、別に、よそさんを『いけず』して拒んでいるのではありません。

この閉鎖的な環境を守ることにより、店の品質、文化空間を守っているのです。


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